2014年8月7日up
梅雨の時期に。懐かしい映画の音を「明日に向って撃て!」オリジナルサウンドトラック

6月 梅雨の時期に。懐かしい映画の音を

「明日に向って撃て!」オリジナルサウンドトラック

 毎年必ず、この季節は来ます。梅雨。うっとおしいですが、恵みの雨であることも事実です。雨が適度に降らなければ、美味しい農産品も育ちません。そう思えば、もっと降れとは言いませんが、風情を楽しむぐらいにはいつかなれたらいいなと思います。さて今月はそんな季節に、懐かしさも感じる音楽を。
 『雨にぬれても』という60年代末に流行った曲。唱ったのはB.J.トーマス、作曲はバート・バカラック。この当時でさえ既にシックというかオールドタイム風のサウンド、それでいて洒脱という正にバカラックの傑作なのですが、この曲はアメリカン・ニュー・シネマというジャンルではこれまた名作の評価が与えられている映画『明日に向って撃て!』のサントラ曲としても有名です。ロバート・レッドフォードとポール・ニューマン。時代設定は西部劇なんでしょうが、2人の男の逃走劇は、あまりにも鮮烈な故に野郎としては時代を超えた魅力で一杯なのです。とは言え、実はあまりにサントラが見事なために映画の本筋はもうちょっと忘れているのですが(笑)本当に音楽が最高。特にお洒落なスキャットが炸裂する「自由の道(原題:South American Getaway)」などは、映画でも印象的な使われ方をしていますが、普通に聴いても素晴らしい。名画に相応しいサウンドトラックの古典ながら、普通に鑑賞に耐えうる作品なのは、やはり巨匠バカラックの仕事ならでは。あ、エピソードをひとつ。『雨にぬれても』という曲がかかりますが、映画の中では一滴も雨は降りません(笑)

(CDのジャケットイメージをクリックすると「amazon」サイトへ飛びます。)


七院知 好(なないんち・このむ)
シングル、EP、45rpm、7inchと呼ばれる17cmレコードと、盤面に刻まれた素敵な音楽を愛する音楽ライター。
福岡在住。地元の情報誌、『Beat Sound』(別冊ステレオサウンド)、ワーナーミュージックライフのサイト、田口商店KEYAKIの公式HPなどで記事・コラム・レヴューなどを執筆。
好きな九州の道の駅は、道の駅「豊前おこしかけ」だそうです。




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