2014年8月7日up
夏と言えば、やはりブラジル音楽!「Samba’68」Marcos Valle

7月 夏と言えば、やはりブラジル音楽!

「Samba’68」Marcos Valle

 20代後半のある夏、クラブ系の音楽を聴いていたときに突然ブチ当たった「ブラジル音楽」という深ーい魅力のあるサウンド。そこから約20年。未だにポルトガル語もスペイン語もわかりませんが、ずっと聴き続けているんですね。魅力はやっぱりリズムの表情の多彩さと、音楽的に考えるとメチャ難しそうなことを笑って演奏しているような陽気さと力強さ、そして哀愁。要するに人間ぽい、そう言ってしまおう。そして今年の夏も当然聴いているわけです。
 昨年はジョイスを紹介しましたが、彼女のシンガーソングライター/ギタリスト/ヴォーカリストの側面プラス、サウンドクリエイター的な側面を加えた凄いアーティストがいます。Marcos Valle、マルコス・ヴァーリという人です。このアルバムは彼の割と初期の作品ですが、ボサノヴァの超有名作「So Nice (Summer Samba)」という曲を書いたことで、一躍有名になった頃のアルバム。セルジオメンデス同様、本国からアメリカに活動が紹介され名前が知られるようになった頃の作品です。聴き易い曲が並んでいます。テイトウワがカヴァーした「Batucada」なども比較的知られたナンバーですね。そんなボサノヴァ第一世代(ジョビンやジルベルト)を継続する存在かと思いきや…
 ブラジルでは60年代末からボサノヴァに続く音楽の流れとして「トロピカリズモ」「MBP」というロックや他のルーツ音楽(サンバ、バーイア、キューバなど他国の音楽)の要素も呑み込んだ世界でも唯一無二の音楽が生まれ始めます。カエターノ・ヴェローゾ、ジルベルト・ジルなど個性的な存在に混じって、マルコスも相当個性的な作品群を生み出します。お好きな人は是非そこまでディグしてくださいね。面白い音楽世界が待っていますよ!

(CDのジャケットイメージをクリックすると「amazon」サイトへ飛びます。)


七院知 好(なないんち・このむ)
シングル、EP、45rpm、7inchと呼ばれる17cmレコードと、盤面に刻まれた素敵な音楽を愛する音楽ライター。
福岡在住。地元の情報誌、『Beat Sound』(別冊ステレオサウンド)、ワーナーミュージックライフのサイト、田口商店KEYAKIの公式HPなどで記事・コラム・レヴューなどを執筆。
好きな九州の道の駅は、道の駅「豊前おこしかけ」だそうです。




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