2015年3月17日up
3月 やっぱり博多の夜は、これに尽きる  GOLDEN HITS THE ALFA YEARS/SHEENA & THE ROKKETS

3月 やっぱり博多の夜は、これに尽きる

GOLDEN HITS THE ALFA YEARS/SHEENA & THE ROKKETS

 春です。楽しい話題と音楽で行きたいんです。行きたいんですが…苦い春もあります。今年のバレンタインは、チョコレートを期待することも忘れるぐらいの衝撃。シーナ&ロケッツのシーナさんが、残念ながら先に逝ってしまいました。若松生まれのシーナさんは筑後が生んだロッカー、鮎川誠の公私ともにパートナーとして、1978年からバンドの看板だった彼女。勇気づけられたという女性のファンもたくさん存在する、愛された方でした。ご冥福を祈ります。
 さて、通称シナロケと呼ばれるバンドは昨年まで最新アルバムを出すなど精力的に活動を続けていたのですが、やはり最高の輝きを放っていたのは、デビュー直後と、YMOで知られるアルファレーベル在籍時代でしょう。その輝きを知りたい方にはうってつけのベスト盤がコレ。当時ヒットした「You May Dream」や、サンハウス時代からのレパートリー「LEMON TEA」はもちろん、隠れた名曲まで網羅しているなかなかの内容なのです。今となっては賛否両論でしょうが、YMOテイストの「Radio Junk」があったり、シーナさんのガールズポップス路線の「Baby Maybe」、ロカビリーな「Hot Line」があったりするなど、当時の時代と格闘した軌跡がこれまた魅力なのですね。
 それにしても、今年の春はなんか物足りないのですよね。実は取材などで何度もお会いしたことがある人間としては、最高に悲しい訃報でした。61はまだ早すぎるよ、シーナさん。ロケッツが辿り着くまで待っててくださいね。

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七院知 好(なないんち・このむ)
シングル、EP、45rpm、7inchと呼ばれる17cmレコードと、盤面に刻まれた素敵な音楽を愛する音楽ライター。
福岡在住。地元の情報誌、『Beat Sound』(別冊ステレオサウンド)、ワーナーミュージックライフのサイト、田口商店KEYAKIの公式HPなどで記事・コラム・レヴューなどを執筆。
好きな九州の道の駅は、道の駅「豊前おこしかけ」だそうです。




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