2015年4月8日up
4月 春の風に、吹かれて聴く英国音楽 Anymore For Anymore/Ronnie Lane & The Slim Chance

春の風に、吹かれて聴く英国音楽

Anymore For Anymore/Ronnie Lane & The Slim Chance



 いよいよ本格的なドライブシーズン到来!開放感溢れるドライブですから、おそらく希望があれば楽しいでしょうし、逆に辛い別れがあれば切ないでしょう。そんな中で聴く音楽。思い出があったり、心があったまったり。いろんなことを忘れるぐらいの期待があったりして。なんだか勝手な想像なんですけど、人間味溢れる音楽が聴きたいなと。そう考える季節なんです。
 そんな時にボコっと出てくるのが、ロニー・レーンという英国人の音楽。60年代はスモール・フェイセス、70年代前半はロッド・スチュワート在籍のフェイセスという再評価著しいバンドのベースマンとして、屋台骨を支えた人。しかし実はその実直なソングライティングと歌声、そしてまさしくアーシーと言うべき人間味全開のサウンドが、熱心なファン、フォロワーを生む存在なのです。そのロニーのサウンドを世界が待って…いなかったけど地味にソロ活動を始めたのが1974年。この荷馬車みたいななんか土着的なジャケット。既に売れることとか考えてない(笑)でも、ロニーの歌心が豊かに感じられるヴォーカル、これまた実は名ソングライティングチームのギャラガー&ライルによるギター、マンドリンなどを加えたアコースティックな伴奏。英国70年代には、「米国憧憬サウンド」と呼ばれる、行き過ぎて米国よりも味が出てしまったサウンドのブームがあるんですが、これもその代表的な1枚。切ないタイトルトラックとかに代表される、土の香りがするサウンド。これをかけて春の高原なんぞ走っていただきたい。きっと、しみじみと季節の恵みを受け止めることができるはず。そう確信しております。

(CDのジャケットイメージをクリックすると「amazon」サイトへ飛びます。)


七院知 好(なないんち・このむ)
シングル、EP、45rpm、7inchと呼ばれる17cmレコードと、盤面に刻まれた素敵な音楽を愛する音楽ライター。
福岡在住。地元の情報誌、『Beat Sound』(別冊ステレオサウンド)、ワーナーミュージックライフのサイト、田口商店KEYAKIの公式HPなどで記事・コラム・レヴューなどを執筆。
好きな九州の道の駅は、道の駅「豊前おこしかけ」だそうです。




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