2015年9月22日up
9月 キングの次はクィーン。ソウルの女王、君臨「貴方だけを愛して」/アレサ・フランクリン

いやーここ数年、9月という言葉を見ればすずしくなって欲しいなぁという気持ちはあるんですけれども。結局暑いままだったりもするんですよね。

なんでこのコラムも、先月はソウルの帝王JBだったので、きっと暑い季節の継続中だろうと想定して、堂々のクィーン登場でございます。お許しを!

アレサ・フランクリン。現在では押しも押されぬソウルの女王としての実力も貫禄もNO.1の存在ですが、実はブレイク前にかなりの数の録音を残すなど、結構苦労人なんですよね。そんな彼女が世界を制するきっかけになったのが、米国のソウルの殿堂と呼ばれるアトランティック・レーベルと契約し、このアルバムを世に出したことです。

ヒットを記録したオーティス・レディング作の名曲「リスペクト」で著名になりますが、このアルバムの聴きどころは何と言ってもタイトルトラックの「貴方だけを愛して(I Never Loved A Man The Way I Love You)」。フェイムスタジオ、マスルショールズ録音という時代を征していく音づくり。後のサザンロックの雄、デュアン・オールマンがセッションマンとして出入りしていた…というのはまた別の話。その先駆的な、でもアレサの魂の歌声とぴったりと寄り添う音。これが格別なのです。ブルースやゴスペルの要素がありながら、単純な繰り返しでありながら、こんな感激する3分間はそうそうはありません。何度聴いてもその印象が変わらない。彼女とサポートする面々の凄さは、永遠に音として記録されています。その後の彼女の破竹の勢いは、語るまでもないでしょう。その最初の奇跡のページ、よかったら開いてみてください。

 

(CDのジャケットイメージをクリックすると「amazon」サイトへ飛びます。)


七院知 好(なないんち・このむ)
シングル、EP、45rpm、7inchと呼ばれる17cmレコードと、盤面に刻まれた素敵な音楽を愛する音楽ライター。
福岡在住。地元の情報誌、『Beat Sound』(別冊ステレオサウンド)、ワーナーミュージックライフのサイト、田口商店KEYAKIの公式HPなどで記事・コラム・レヴューなどを執筆。
好きな九州の道の駅は、道の駅「豊前おこしかけ」だそうです。




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