2013年5月8日up
「時の流れに」ポール・サイモン

4月 フィル・ラモーン師匠、永遠に(その2!)

「時の流れに」ポール・サイモン

 前回からなんですけど、フィル・ラモーン師匠は偉大なので、たった1枚で終わるのはもったいないオバケが出ると七院知は思ったんですよ。なので珠玉のアルバムをもうひとつお届けします。サイモン&ガーファンクルって結構有名なんですけど、2人は70年にデュオを解消しています。そしてソロアルバムを何枚も録音しているんですが、その中でも恐らく1番ではないかと思われるのがこの作品。小さい方のポール・サイモンの偉大な作品なのです。その理由は何か。もちろんフィル・ラモーンの仕事が冴え渡るタイトル曲「時の流れに(Still Crazy After All These Years)」がイイ。さっさと戻って来ちゃったアーティが歌っている「マイ・リトル・タウン」もイイ。名ドラマー、スティーヴ・ガッドの仕事が最高の「恋人と別れる50の方法」もイイ…という具合に、捨て曲など全く無い充実した仕上がり。いつもこのアルバムを聴いていると、良い時間がすぐ終わっちゃうんです。恐らく夜のドライブのお供にもなると思います。独りで向き合いたい音楽世界がちゃんとある。もう37年も前の作品なのに、あんまり古くなっていない。もちろんそれはポール・サイモンが曲作りの才人であることも大きいけれど、それをカヴァーして余りあるこのアルバムのサウンドアレンジ。やっぱりレコードは、手強くても実力のある相棒とつくってナンボなんですなぁ…そんなことを考える完成度。文句無しの名盤です。そしてこんな傑作を残してくれてありがとう。何度も言いますが、フィル・ラモーン師匠よ、永遠に!(多分今回が最後です…)

(CDのジャケットイメージをクリックすると「amazon」サイトへ飛びます。)


七院知 好(なないんち・このむ)
シングル、EP、45rpm、7inchと呼ばれる17cmレコードと、盤面に刻まれた素敵な音楽を愛する音楽ライター。
福岡在住。地元の情報誌、『Beat Sound』(別冊ステレオサウンド)、ワーナーミュージックライフのサイト、田口商店KEYAKIの公式HPなどで記事・コラム・レヴューなどを執筆。
好きな九州の道の駅は、道の駅「豊前おこしかけ」だそうです。




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