新緑眩しい初夏。
あちこちで薔薇が咲き、どこからか青葉の香りと共にジャスミンの香りや柑橘類の花の香りが漂い、季節の変わり目の疲れを癒してくれます。
私の夏の楽しみのひとつに、年中好きで愛用しているかごバックが、お店にたくさん出回りだすことです。いろいろなデザインのかごバックに目移りしてしまいます。もの心ついた頃から大好きで、赤いバスケットにお気に入りを詰めて得意気に持ち歩いたものです。「赤毛のアン」や「不思議の国のアリス」「大草原の小さな家」といった異国の生活に憧れていたのでしょう。
今一番気に入っているのはモロッコから友人が輸入しているボシャラヴィットのマルシェバック。現地の人が手作りしたマルシェバックに古着などのはぎれをリボンのようにひとつひとつ隙間なく結んだ、ふたつとないデザインのバックで他に見たことがありません。
今年はどんなかごバックに出会えるか楽しみです。

さて、今回のおいしい道の駅は、夏の到来を告げる初ガツオが主役です。
カツオは全世界の温帯海域に広く分布するサバ科の回遊魚で、初夏に黒潮にのって北上し、秋に三陸沖からUターンするので一年に二回旬を迎えます。
その年に初めて水揚げされたカツオのことを初ガツオ、または上りガツオと呼び、夏の訪れを知らせてくれるのです。

5月の初ガツオは脂が少なく身がしっとりしていますが、青臭さがあるので生姜と食べ合わせると臭みが消えてさっぱりといただけます。

栄養がとても豊富で女性に嬉しい良質なたんぱく質であるカツオは、ビタミンB郡、D、血液をサラサラにするEPA、肝機能を高めるタウリン、脳の働きをよくするDHA、その他鉄分、ミネラル、カリウム、カルシウム、亜鉛などが含まれ、不妊症やホンモンバランスの調整、うつ病予防、動脈硬化、疲労回復、ボケ防止など、健康によいことばかりです。

カツオは大きいほど美味しく、腹のしま模様がはっきりとしたもの、切り身なら赤みが鮮やかなものが新鮮です。背びれがピンとして艶があるものを選びましょう。

今回は「カツオのタルタル」のレシピをご紹介します。夏の冷たく冷やしたロゼや白ワインにもぴったりの前菜です。
気持ちのよい初夏をおいしい初ガツオと共に健やかに楽しみましょう！

【今回の食材】