2013年6月6日up
「雨に微笑みを」ニール・セダカ

6月 梅雨の時期にこそ、大人のポップス

「雨に微笑みを」ニール・セダカ

 梅雨ですよ梅雨。ドライヴにはあんまり気が乗らない季節ではありますが、でもポップスの世界では、雨は実は最強のアイテムなんですよね。カスケーズ『悲しき雨音』、カーペンターズ『雨の日と月曜日は』、BJ.トーマス『雨に濡れても』など。枚挙に暇がありません。そんな中でも、個人的にオススメしたい名曲が、このニール・セダカの『雨に微笑みを(Laughter In The Rain)』なのです。ビートルズ以前のポップスの時代に数々のヒット曲を量産したニール・セダカが、英国に渡り10ccやエルトン・ジョンなどのサポートも得ながら70年代に華々しく最前線に復帰。全米No.1を記録した名曲中の名曲で、メロウな曲調とメロディアスなサビのメロディが一度聴いたら胸に焼き付いてしまうのです。ソウル系を中心とした良作カヴァーも多く、人気の高い代表作です。実際にラジオでもよく雨の日のリクエスト曲としてオンエアされています。
 ただし、こんなに力説する程の名曲なのに、70年代以降のニール・セダカの作品は再発状況がよろしくない…この既にオッサンになってしまったジャケット写真の90年代に出たベスト盤ぐらいでしか聴けないんです。他にも数枚ありますが、レーベルが違うと再録音の可能性があるので購入の際はチェックを。実際にこのベスト盤でも半分は往年の名曲の再録音です。悪くはないんですけどね…でもこの曲名と同名の1974年のオリジナルアルバム(イギリスと日本のみ発売)とか、本当にシンガーソングライターの時代を代表する1枚なので。アナログでしかもほとんど見かけないんですが、お好きな方は是非。過去のオールディーズシンガーという認識が、きっと刷新されますよ。

(CDのジャケットイメージをクリックすると「amazon」サイトへ飛びます。)


七院知 好(なないんち・このむ)
シングル、EP、45rpm、7inchと呼ばれる17cmレコードと、盤面に刻まれた素敵な音楽を愛する音楽ライター。
福岡在住。地元の情報誌、『Beat Sound』(別冊ステレオサウンド)、ワーナーミュージックライフのサイト、田口商店KEYAKIの公式HPなどで記事・コラム・レヴューなどを執筆。
好きな九州の道の駅は、道の駅「豊前おこしかけ」だそうです。




この記事が「おもしろい!」と思ったら是非みなさんのお知り合いにもシェアしてください!
コメントをどうぞ!
facebookのアカウントをお持ちの方は、「Post to Facebook」にチェックをすると、ウォールに投稿されます。