2013年8月4日up
ガンボライス

毎年夏になると訪れているビアガーデンがあります。
六十数年もの間営業を続けている大牟田市の「博多屋」という古いビアガーデンです。 かつて炭鉱で栄えた繁華街から一歩入ると、当時の人々とすれ違ったような錯覚、当時の賑わう声が聞こえてきそうな不思議な感覚に誘われます。
細い路地裏を抜けると博多屋の灯りがぼんやりと浮かび、看板の上に座る灰色の猫が私達を迎えてくれます。 たくさんの大きな木に囲まれたその庭に入ると聞こえてくる、小さな滝の音とおはやしの声。
異国にあるみたいなエキゾチックなあずまや。
陶芸家の店主さんの素敵なタイル張りのテーブル。
自由な亀たち。そしておいしい麦酒。
どこか異次元に迷い混んだような幻想の世界。
帰りの列車はまるで銀河鉄道の夜みたい。
もしかしたらあの場所は夢だったのかも知れません。 

さて、今回のおいしい道の駅の主役は「オクラ」です。
東北アフリカ原産のオクラは切り口がかわいい星形で、表面にうぶ毛があり独特のぬめりが特徴の夏野菜です。
粘りのもとはペクチンやムチンなどの粘性物質を含むため。ペクチンは調整作用があり、血中コレステロールを下げる働きがあり動脈硬化の予防に効果があります。ムチンは気管や消化器の粘膜をおおって保護し、胃炎や胃潰瘍、感染症などの予防効果があります。
たんぱく質の消化を助けるので、お肉や魚と一緒に摂ると効果があります。
他にもビタミン、ミネラルが豊富に含まれ、栄養たっぷりの滋養強壮に効果的な夏野菜なのです。
生のまま薄い輪切りにしてサラダや素麺などに加えてもおいしくて星形が目を楽しませてくれますよ。

今回はアメリカ南部・ルイジアナ州に伝わるオクラを使った郷土料理「ガンボ」をご紹介します。 語源はオクラを意味するアフリカ語から。
18世紀のアメリカ南部に西アフリカの黒人奴隷が持ち込んだオクラと、フランス人が移住して入ってきたブイヤベース、スペインから持ち込まれた玉ねぎ・トマトなどが出会ってできたスープ料理なのです。
プルミエカフェの頃、戦前の初期のjazzイベントをした時に、マニアックなそのjazzのDJの方に教わって自分なりに試行錯誤したレシピです。
ガンボスープが一般的なようですが、今回は暑い夏に、具材を大きめにカットした煮込み料理にしてごはんと一緒に食べる「ガンボライス」にしました。
栄養たっぷりのオクラとたくさんの具材とスパイスで、この夏を乗りきりましょう!

【今回の食材】 
オクラ
オクラが日本で食用として普及し始めたのは1960年ごろです。ネバネバとした食感のオクラには、ペクチンやムチンをはじめ、ビタミンや鉄など多くの栄養素を含んでいます。これらの栄養素を無駄なく摂るには、生でいただくかゆで時間を短めにするのがコツ。細かく刻むほどネバネバが増すので、料理に合わせて切り方を変えてみてください。鹿児島県指宿市は、全国有数のオクラの産地です。道の駅いぶすきではオクラの漬物やオクラパウンドケーキなどバラエティ豊富なオクラ商品が揃っています。
 

〈材料〉
★ガンボライス★
材料〈4〜5人分〉
*オクラ 2パック
*玉ねぎ 1個
*ナス 1本
*ズッキーニ 1本
*しめじ 1パック
*黄パプリカ 1個
*にんにく 1片
*しょうが 1片分
*むきエビ 8〜12尾
*スモークソーセージ 6本
*鶏もも肉 1枚
*ホールトマト 1cup
*水 2.5cup
*カイエンペッパー 小さじ2〜3(好みで調整する)
*タバスコ 少々
*ローリエ 1枚
*タイム 3枝
*自然塩 小さじ3 

〈ルー〉
*小麦粉 大さじ3
*サラダ油 大さじ3

 
①オクラはヘタを残してがくの部分をぐるりとむく。さっと洗い、塩をすり付けるように指の腹でこすって塩磨きをし、うぶ毛をとる。
 


②玉ねぎはくし切りに、ナスとズッキーニは2cmの輪切りに、パプリカはひと口大に切り、にんにくとしょうがはみじん切りにする。しめじはいしづきを取ってほぐしておく。ナスは水に浸してあくぬきをして、水気を拭いておく。
 

 
③エビは背わたをとり、酒と塩少々をふって、片栗粉をまぶして揉み、5分ほどおいて水洗いしておく。
 

 
④ソーセージは斜めに2〜3等分に切り、鶏もも肉はひと口大に切り、鶏もも肉に塩少々まぶしておく。
 
⑤鶏もも肉、エビ、ソーセージはフライパンで表面に焼き色を付けておく。
 
⑥鍋に小麦粉をふるい入れ、サラダ油を加え、木ベラでよく混ぜ合わせる。 弱く火を入れ、焦がさないよう15〜20分ほど茶色になるまで混ぜ続け、茶色のルーを作る。根気よく混ぜましょう。香ばしい香りが立ってきます。
 
⑦一旦火を止め、にんにくとしょうがを加え、ごく弱火で混ぜ、香りが立ったら玉ねぎを加え全体を混ぜる。
 
⑧⑦にナス、しめじを加えて混ぜる。全体にルーをからめたら焼き色を付けた鶏肉・ソーセージを焼き汁ごと加え混ぜる。
 
⑨⑧にホールトマトを潰し入れ、水を加えてひと混ぜし、塩・ローリエ・タイムを加え、焦がさないよう混ぜながらひと煮立ちさせて弱火にし、10分ほど煮たらオクラとズッキーニとパプリカ、エビ、カイエンペッパー、タバスコを加えて、更に10分ほど煮込む
 
⑩ごはんと一緒に皿に盛れば完成!

※画像はインディカ米を使用

※4日ほど保存可能




末松 奈視
食品会社の検査室に5年半勤めた後、大手アパレルメーカーが経営するカフェで働く。
2001年にプルミエカフェを開業し、2008年にプライベートキッチン プルミエとして移転。2012年クリスマスに11年半の営業を終え、現在プライベートキッチン プルミエとして、ヨーロッパ・地中海・アジアなど世界の料理をみんなで作って食べる会(プルミエの料理教室)「クッキングパーティ」を中心にレシピやケータリングや料理講師、イベント企画など活動中。
博多阪急内「ELLE CAFE 」キッチンスタッフとしても働いている。
http://s.ameblo.jp/premier-1101




この記事が「おもしろい!」と思ったら是非みなさんのお知り合いにもシェアしてください!
コメントをどうぞ!
facebookのアカウントをお持ちの方は、「Post to Facebook」にチェックをすると、ウォールに投稿されます。




【最新10件】
【過去に紹介したレシピ(月別)】