2013年8月18日up
モロヘイヤとツナのパートブリック風

毎日本当に暑いですね。
キッチンでの仕事もものすごく暑いし、寝ていても汗をかくし、一体この夏に出した汗と飲んだビール、どっちが多いのでしょう?
もちろんビールですね。 

今回でちょうど2年になり、48回目となる「おいしい道の駅」のレシピは、このたび最終回を迎えることとなりました。
ご覧くださったみなさん、ありがとうございました!

毎回いろいろな食材について、本を読んだり調べたり勉強をする機会をいただき、何より自身のためになりました。日々向き合っている食材を深く掘り下げることで、改めて素材の素晴らしさや力を知ることができました。
素晴らしい機会を与えてくださった運営スタッフのみなさま、本当にありがとうございました。

いつでもどこでも24時間、手軽に食べ物を買える環境にいる私達は大変に恵まれていて、農薬や化学調味料など、食材に神経質になってストレスを感じてしまうよりも、どんな大量生産されたものであっても「ありがたい」と思っていただく心の方が大切で、もちろん偏った食生活は良くありませんが、感謝をする気持ちがあれば体は喜んで迎えてくれると私は思っていて、食の大切さとありがたさについて日々向き合っています。

最近気付いたことがありました。
食材選びから調理、おひとりおひとりのお客様のお顔をみながら、好みや体調やその方の雰囲気に合わせて心と願いを込めて料理をしていたプルミエから一転し、一日に数百人の料理をとにかくこなして時間と戦いながら調理をするというお客様のお顔の見えないキッチンでの調理作業は、はじめは両極端にあると思っていました。
でも同じだったんです。
心と手間と時間をかけて作られた野菜や穀物、生命のあった魚や動物の食材は、加工されたものであってももとは同じ生命であり、その運ばれてきた食材を心を込めて料理し、生命を吹きかけて一皿を作り出しお客様にお届けする作業はどちらも同じで、どんな料理を作るかということよりも、どんな気持ちで料理をしているのかということの方が大事なんだということ。どこにいても、料理している自分にはなんの変わりもないこと。自然からいただいた食材に生命を吹きかける仕事。お母さんが作る家庭の料理も、お店で出てくるシェフの料理も同じ。
とても尊い仕事に変わりはなく、おいしく作る気持ち、おいしくいただく気持ちがおいしい料理を生み出すのだと思う。
見えない想いが全ての根っこにあって、何よりも大切なこと。
そんなことを思いながら、今日も料理を作ります。

さて、最終回のおいしい道の駅の主役はモロヘイヤです。
中近東原産のモロヘイヤは古代より滋養に効果的な薬草として親しまれてきました。その昔、不治の病に苦しむエジプトの王様がモロヘイヤをペースト状にして鶏肉などを入れたスープで元気になったと云われています。

とにかく栄養豊富でカロテン、カルシウムの含有量は緑黄色野菜の中でトップを誇ります。 ビタミンB郡、C、E、ぬめりの成分のムチン、食物繊維などを豊富に含み、肝機能や胃腸、ストレスなどに働きかけ、美肌効果、骨粗鬆症、目の粘膜保護、血糖値やコレステロールの上昇を抑える効果、ガン予防、動脈硬化や脳卒中の予防、などなど、青菜の少ない夏にたくさん摂り入れたい薬膳野菜です。茹でたり炒めたりペーストにしたり刻んだり、どんな料理にも合わせやすく調理しやすい便利野菜です。

若葉を食すので、葉がみずみずしくハリがあるものを選びましょう。
さっと茹でたりペースト状にすれば冷凍もできます。

今回はエジプトの近く、北アフリカにあるチュニジアの郷土料理、パートブリックというクレープのような春巻きのような皮で包んでアレンジしたレシピをご紹介します。
おかずにもおやつにもビールのおつまみにもぴったりの、私が昔からよく家で作っている料理です。
パートブリックの代わりに春巻きの皮で簡単に作ります。 小さな三角でかわいくて食べやすく、パーティーにもオススメです。
滋養効果の高いモロヘイヤで、この暑い暑い夏を元気に乗り切りましょう!

栄養たっぷりのオクラとたくさんの具材とスパイスで、この夏を乗りきりましょう!

【今回の食材】 
モロヘイヤ
原産地はエジプトといわれ、日本で栽培が行われるようになったのは1980年代のこと。「王様の野菜」と呼ばれるほど栄養が豊富なことから人気が高まり、全国に普及しました。特にβカロテンを多く含み、抗酸化作用により風邪やがんの予防やアンチエイジング、視力の保持などに効果が期待できます。葉は濃い緑色で、葉先や茎の切り口が変色していないものを選びます。佐賀県が全国第4位に入る生産量。佐賀県の道の駅にお越しの際は、ぜひ探してみてください!
 

〈材料〉
★モロヘイヤとツナのパートブリック風★
材料〈24個分〉
*モロヘイヤ 1束
*玉ねぎ 1/2個
*ツナ 2缶
*塩・黒胡椒 適量
*マヨネーズ 大さじ2
*クミンパウダー 小さじ2
*コリアンダーパウダー 小さじ1
*カイエンペッパー 小さじ1/2
*春巻きの皮 16枚
*小麦粉と水 適量
 
①モロヘイヤは葉をちぎって洗い、ざるにあげて水気を切っておく。
 


②①のモロヘイヤを包丁でざっくり粗くみじん切りにする。
 

 
③玉ねぎはみじん切りにする。 辛味が気になれば5分ほど水にさらし、水気を切る。
 

 
④ボウルに春巻きの皮以外の材料を入れ、粘りが出てたねがまとまってくるまでよく混ぜ合わせる。
 
⑤小麦粉を水で溶いてのりを作る。
 
⑥春巻きの皮は3等分に切る。
 
⑦2枚の春巻きの皮を縦に並べてつなぎ目を㈭ののりで合わせて細長い1枚にする。
 
⑧手前にたねをスプーンでのせる。
 
⑨春巻きの皮の端に指のはらでのりを塗り、たねを包みながら三角に折る。
 
⑩折った三角の角を中心にまた三角に折る。
 
⑪のりを付けながら三角に折るのを繰り返す。
 
⑫最後の巻き終わりをしっかりのりで止めて三角型の春巻きを作る。
 
⑬70℃の油でカリカリに、こんがりときつね色に揚げる。
 
⑭皿にに盛ってアツアツを召し上がれ!




末松 奈視
食品会社の検査室に5年半勤めた後、大手アパレルメーカーが経営するカフェで働く。
2001年にプルミエカフェを開業し、2008年にプライベートキッチン プルミエとして移転。2012年クリスマスに11年半の営業を終え、現在プライベートキッチン プルミエとして、ヨーロッパ・地中海・アジアなど世界の料理をみんなで作って食べる会(プルミエの料理教室)「クッキングパーティ」を中心にレシピやケータリングや料理講師、イベント企画など活動中。
博多阪急内「ELLE CAFE 」キッチンスタッフとしても働いている。
http://s.ameblo.jp/premier-1101




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