2014年3月9日up
「A LONG VACATION 30th Edition」大瀧詠一

2月 音楽だけは色褪せない。

「A LONG VACATION 30th Edition」大瀧詠一

前回も追悼ネタだったので気が引けますが、やはり触れないわけにはいかないですね。実はQMUCネタ(昨年1月)でも裏名盤「ナイヤガラカレンダー」を紹介したことのある大瀧師匠。誠に残念ながら、昨年末に鬼籍に入ってしまいました。しかし音楽至上主義だった師匠。残念を語るより、その音楽を語って聴かなきゃダメですね。というわけで1981年。当時のほぼすべての若者が心を震わせた超が付く大名盤、通称「ロンバケ」でも聴いて師匠を送りましょう!
 実際に全ての若者が買ったわけでもないけれど、当時のラジオ(師匠の主戦場は結局一貫してラジオでした)を通じて、どれだけの人びとの心に残っているか分からない。冒頭の「君は天然色」から「カナリア諸島にて」「我が心のピンボール」「雨のウェンズデイ」「恋するカレン」「さらばシベリア鉄道」…結局全曲名曲。当初は全曲シングル盤に収めた仕様で発売しようという話もあったぐらい、クオリティが高いわけです。盟友・松本隆の久しぶりの作詞も冴え渡る(というか貢献度が高い)わけですが、やっぱり師匠が真面目に懇々と切なく歌うラブソングこそが心に響く。涙が出ます。最早、ソフトも要らない、脳内再生で十分という先輩諸氏も多いと思うんですが。この30周年記念盤は実はバッキングトラック、要するにカラオケ付いているんです。独り乗りの車の中でかければ、師匠になりきれちゃうという至宝の一枚!良い歌を歌って、唯一無二のサウンドクリエイターを送りましょう。ありがとう、師匠。

(CDのジャケットイメージをクリックすると「amazon」サイトへ飛びます。)


七院知 好(なないんち・このむ)
シングル、EP、45rpm、7inchと呼ばれる17cmレコードと、盤面に刻まれた素敵な音楽を愛する音楽ライター。
福岡在住。地元の情報誌、『Beat Sound』(別冊ステレオサウンド)、ワーナーミュージックライフのサイト、田口商店KEYAKIの公式HPなどで記事・コラム・レヴューなどを執筆。
好きな九州の道の駅は、道の駅「豊前おこしかけ」だそうです。




この記事が「おもしろい!」と思ったら是非みなさんのお知り合いにもシェアしてください!
コメントをどうぞ!
facebookのアカウントをお持ちの方は、「Post to Facebook」にチェックをすると、ウォールに投稿されます。