2014年3月9日up
「クラウド9」ジョージ・ハリスン

3月 春の風を思い出す、爽やかな1枚

「クラウド9」ジョージ・ハリスン

 年度末って、今でも仕事で慌ただしいイメージありますが。若い頃は受験とか入学とか卒業とかクラスがえとかいろいろあるわけです。もっとも中学と高校が男子校だった七院知はロマンス的なものは皆無だったワケですが…そんな中でも、やっぱり高校3年の冬から春っていうのは強烈に思い出が深いのです。田舎から福岡に出て来た時期というのもあるんですけど。そんなわけで今回のチョイスはメチャ個人的な、でも春に似合う1枚を。
 まだCDが田舎では珍しかった1987年。教室の隣の席に座っていたYくんがCDウォークマンで聴いていたこのアルバム。お願いしてAXIAのカセットにダビングしてもらって、テープが切れるぐらい聴いた覚えがある。当時、第一線から遠ざかり世捨て人的な存在になっていたジョージ・ハリスンが出した極上の一枚。ちょっとキラキラした印象があるジェフ・リンのプロデュースは最初は違和感があったが、慣れてしまえば本来は線が細いジョージの声や繊細な曲展開を良い按排でスポイルする、とても着心地の良い服のような存在になるから面白い。ジェフはその後トラベリング・ウィルベリーズの参加、1995年のビートルズ再結成音源、そして97年には遂にポールのアルバムまでプロデュースするという信頼されっぷりである。
 そしてヒットした「セット・オン・ユー」などを耳にすると、田舎のポッカポカの日光を浴びながら自転車で出かける春の日を思い出すんですね。そんな思い出がなくっても、春ドライブのお供に。気に入って頂けると思います。

(CDのジャケットイメージをクリックすると「amazon」サイトへ飛びます。)


七院知 好(なないんち・このむ)
シングル、EP、45rpm、7inchと呼ばれる17cmレコードと、盤面に刻まれた素敵な音楽を愛する音楽ライター。
福岡在住。地元の情報誌、『Beat Sound』(別冊ステレオサウンド)、ワーナーミュージックライフのサイト、田口商店KEYAKIの公式HPなどで記事・コラム・レヴューなどを執筆。
好きな九州の道の駅は、道の駅「豊前おこしかけ」だそうです。




この記事が「おもしろい!」と思ったら是非みなさんのお知り合いにもシェアしてください!
コメントをどうぞ!
facebookのアカウントをお持ちの方は、「Post to Facebook」にチェックをすると、ウォールに投稿されます。