2014年7月2日up
5月 GWです。初夏に似合う英国フォーク 「ペンギン・エッグス」ニック・ジョーンズ

5月 GWです。初夏に似合う英国フォーク

「ペンギン・エッグス」ニック・ジョーンズ

瑞々しい若葉が香る、ステキな季節です。行楽などでお出かけするみなさんも多いでしょう。とにかく野外に出たくなる、そんな気持ちになれるって素晴らしいですね。この季節は「吹く風こそが音楽だ」という方々もいらっしゃると思うのですが、そんな爽快さをまたひと味違う空気にしてくれる音楽を、今月は紹介します。
 英国にはトラッド・フォークというジャンルがあります。そもそも一口でフォークと言っても、英国はバラッド(語り歌)やトラディッショナル(伝え歌)の世界があり、そしてイングランド以外にもウェールズやアイルランドなどの地域でそれぞれの音楽があります。またジグやリールと呼ばれる「踊りのための音楽」がある、ギターラやフィドルなど古典的な楽器の種類や編成があるなど、さまざまな要素がある味わい深い世界です。それだけに世界中でファンが多く、演奏する人々、古い歌を発掘する人々、プライベートプレスと呼ばれる数十枚しか存在しないレコードを探す人々など、さまざまな楽しみ方で愛されているのですが…このニック・ジョーンズというギタリスト/トラッドシンガーのアルバムは、少し迷宮に入りがちな英国トラッド・フォークという音楽を明解なものにして伝えてくれる1枚。何と言っても時に叩くように弾くギターの硬質ながらどこか優しい音色と、本人の味のある歌唱。これが良いんです。正直、英語の歌詞は難しいんですが(笑)それなのに惹き付けられる魅力。シンプル過ぎる音世界なのに飽きない。中毒者続出のフォークミュージックなのです。

(CDのジャケットイメージをクリックすると「amazon」サイトへ飛びます。)


七院知 好(なないんち・このむ)
シングル、EP、45rpm、7inchと呼ばれる17cmレコードと、盤面に刻まれた素敵な音楽を愛する音楽ライター。
福岡在住。地元の情報誌、『Beat Sound』(別冊ステレオサウンド)、ワーナーミュージックライフのサイト、田口商店KEYAKIの公式HPなどで記事・コラム・レヴューなどを執筆。
好きな九州の道の駅は、道の駅「豊前おこしかけ」だそうです。




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