2013年9月22日up
「ベスト・オブ・ギルバート・オサリバン」ギルバート・オサリバン

9月 秋の到来を待ちながら聴きたい、英国70年代音楽

「ベスト・オブ・ギルバート・オサリバン」ギルバート・オサリバン

 猛暑や豪雨で大変だった今年の夏も、やっと終盤。待ちわびた秋の気配ですよ。ドライヴも山にでかけるのが楽しくなって来ますよね。最近は紅葉が遅いですが、それでも季節ならではの涼しさや風を感じながらの旅は格別です。
 さて、そんな時期の音楽に個人的にオススメしたいのが英国音楽。フォークやカントリーと言えば米国音楽が本場のような印象がありますが、それよりも遥かに昔から存在するトラディッショナル・フォークと呼ばれるイングランド、ウェールズ、アイルランドなどの地域で培われた音楽は、現在でも多くの人々を魅了しています。それは英国のポップミュージックにも確実に影響を与えていて、特にロックがルーツに題材を探し始めた1960年代後半からは、ヒット曲にもその繊細さや翳りのような部分が感じられるようになります。
 ここで紹介したいのが、アイルランド出身、英国で70年代に活躍したSSWのギルバート・オサリバン。日本では『Alone Again』のヒットで知られる存在ですが、ポール・マッカートニーにも通じる声やメロディが満喫できる『Clair』、アップテンポの爽快な『Get Down』など素敵な曲を沢山残しています。彼自身のヴォーカルのダブルトラック(1人で2回、唄を重ねている)で生まれる独特の雰囲気が、どこか汗臭さとは程遠い英国の空気を持っているというか。他の国では生まれない魅力に溢れているのですね。オリジナルアルバムまで遡らなくても、ベスト盤で十分に魅力は堪能できます。公園の散歩でもいいです、秋のお出かけにオススメの音楽ですよ。

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七院知 好(なないんち・このむ)
シングル、EP、45rpm、7inchと呼ばれる17cmレコードと、盤面に刻まれた素敵な音楽を愛する音楽ライター。
福岡在住。地元の情報誌、『Beat Sound』(別冊ステレオサウンド)、ワーナーミュージックライフのサイト、田口商店KEYAKIの公式HPなどで記事・コラム・レヴューなどを執筆。
好きな九州の道の駅は、道の駅「豊前おこしかけ」だそうです。




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