2013年12月12日up
12月『ロックンロールの詩人』、逝く 「トランスフォーマー」ルー・リード

12月『ロックンロールの詩人』、逝く

「トランスフォーマー」ルー・リード

 ロックのレジェンド的な人って、なんとなくですが死なない印象もあるんですが。肝臓疾患のため、自宅で死去。71歳。ファンにとっては神様的な存在であったルー・リード。当時は全く売れなかったのに、現在では60年代の伝説的なロックアイコンとなっているヴェルヴェット・アンダーグランドを率いて登場。ノイジーなギター片手に、リアルな言葉を吐き捨てるように歌うその様は、やがてソロになってデヴィッド・ボウイやミック・ロンソン、ブライアン・イーノという英国勢に支えられ、徐々に表舞台に現れて来る。名作『トランスフォーマー』や『ベルリン』はこの時期の作品だ。そこから紆余曲折はあったものの、最終的には自分の書いた曲を叩き付けるように歌うスタイルは変わらず、故ロバート・クインなどとの印象的な共演をはじめとして、ごく最近のメタリカに至るまで強烈な個性を持って最後までパフォーマンスし続けたことをまず賞讃したい。
 そのような強烈な個性の持ち主なので、ベスト盤かこの作品ぐらいしか、ドライブミュージックには適さないかも知れないが。ジャズ風のベースが最高にクールな代表曲『ワイルド・サイドを歩け』や、胸に迫る歌唱が聴ける『パーフェクト・デイ』など、聴き所が多い、是非アルバム通して聴いて欲しい1枚。それにしても、…「ヴェルヴェットのアルバムを聴いて多くの人は買わなかったが、自分でも音楽ができるとギターを握った人は多いはず」という言葉が残っている。確かにそうだ。合掌。

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七院知 好(なないんち・このむ)
シングル、EP、45rpm、7inchと呼ばれる17cmレコードと、盤面に刻まれた素敵な音楽を愛する音楽ライター。
福岡在住。地元の情報誌、『Beat Sound』(別冊ステレオサウンド)、ワーナーミュージックライフのサイト、田口商店KEYAKIの公式HPなどで記事・コラム・レヴューなどを執筆。
好きな九州の道の駅は、道の駅「豊前おこしかけ」だそうです。




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