すっかり山々も色づき、心地よいドライブは、秋らしさを演出してくれます。芸術鑑賞に浸ったり、たまっていた読書をすすめてみたり、体を動かしてみたりと、秋の情緒を体いっぱいに受けとめたあとは…。
そうですね。やっぱりお腹が減ってきますよね。
ということで「秋の特集」後半戦は、みなさん大好きな『秋の味覚』について、3週連続で紹介したいと思います。
この秋のテーマは「カキ食えば〜」。法隆寺の鐘もさることながら、自分のお腹も鳴ってしまう、九州の秋の食を特集してしまいます。

「富有柿」


さすがに「柿」って何?とおっしゃる方は居ないと思いますが、まずは簡単に「柿」そのもののお話から。

桃栗三年柿八年…。のことわざのとおり、結実までの期間が長い柿ですが、実は「甘柿」の登場は突然変異だったのだそうです。
1214年、神奈川県川崎市の王禅寺で偶然に発見された「禅寺丸」がそのはじめだと伝えられています。『接ぎ木』の技術をはじめとした品種改良の連続により、渋柿の突然変異種でしかなかった甘柿が、現在のように世に広まったのだそうです。

話はとんで現代。
『甘柿の王様』として君臨する「富有柿」は、甘柿生産の約6割を占める品種で、北は新潟から南は九州まで広い地域で生産されています。
その中でも「道の駅原鶴」がある福岡県朝倉市は、全国有数の生産量を誇り、原種の富有と比べて、すこし丸みを帯びた外観や果皮・果肉が、しかも紅みを帯びているところが特徴です。栽培の歴史も古く、明治35年ごろにさかのぼりますが、大正6年に大正天皇が九州を訪れた際に、福岡県の秋のフルーツを代表して杷木町(現朝倉市)の「富有柿」が献上されたことを機会に、全国的に知られるようになったそうです。



写真のように選果場などの整備もすすみ、現在では、品質のすばらしさや生産量の多さから「第10回日本農業賞(昭和55年)」に選ばれるなど、遠くは関東・関西・北陸にまで愛好者をひろげています。

今がちょうど旬。朝倉周辺の山々は美しい橙紅色一色に染まり、この季節ならではの風情を彩ります。味覚はもちろんですが、たわわに実る柿の木ようすは、まさに『日本の秋』って感じですね。


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