豊前海一粒かき(ぶぜんかいひとつぶかき)


 季節は秋から冬へとうつりかわり、おいしい味覚もあらたな旬を迎えつつあるようです。
今回の特集は、前回の「柿」にひきつづき、海の幸「牡蠣」をご紹介します。福岡県東部、北九州市から大分県中津市にかけた周防灘(すおうなだ)沿いは、地元では「豊前海」と呼ばれ親しまれています。

 海に沿った国道10号沿いには、名物である「貝汁」を出してくれる食堂の看板が並び、海産物が豊かな地域であることを伝えてくれます。カニやシャコなどに名産品と並び、植物性プランクトンが豊富な海で育った「牡蠣」は、求菩提山(くぼてさん)を代表する豊かな山々から流れでる栄養分たっぷりの水で育つこともあって、成長が早く約8ヶ月で出荷されるそうです。
 一般的な牡蠣と比べ粒が大きいのも特徴で、味や身入りも評判。プリプリとした大きな身を、口に入れる時のトロンとした喉ごしは、この時期ならではのやみつきになる楽しみです。

 その名も「豊前海一粒かき(ぶぜんかいひとつぶかき)」。今では、福岡を代表するブランド牡蠣で、豊前海で養殖され“殻つき”のまま販売されることから「一粒かき」の名がつけられているのだそうです。11月から3月にかけて味わうことができ、料金は1㎏ 500円~(時期や獲れる量により変動)。「道の駅豊前おこしかけ」でも目にすることが出来ますが、豊前市の宇島漁協などでは、宅配サービスも行っているので、贈答用としても人気を集めています。手ごろな価格も魅力のひとつですね。

 絞ったレモンをかけて食べる生がきや網焼き、かき鍋、かき飯、かきフライ、西洋風にリゾットなどなど、いろんな食べ方がありますが、調理法を語る前にその食べ方のスタイルにもこだわってみたいものです。道の駅からちょっと羽根を伸ばすことになりますが、特にこの時期の風物詩となっているのが、漁港近辺や通りにそって建てられる「牡蠣小屋」です。支柱にビニールを張り合わせただけという、シンプルで素朴な設備ばかりですが、海の香りを感じながら牡蠣のうまさを味わえる、産地ならではの醍醐味がつまった施設です。

  この地域の海の幸が、存分に堪能したい人。港沿いを走っていて、幟や人だかりが見えたら要チェックですよ。




「特集 秋の味覚Vol.1 「富有柿」はコチラ



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