2012年11月16日up
銀杏のクリームリゾット

福岡も紅葉がはじまりました。
うちの前の大通りのいちょう並木も、黄緑から黄金色へのグラデーションがどこまでも続いていて、チェーン店の看板だらけのいつもの道がちょっと特別な、おごそかな雰囲気になったような感じがして嬉しくなります。

プルミエの近くにある二日市八幡宮には樹齢400年を越えるいちょうのご神木をはじめたくさんの大きないちょうの樹に囲まれていて、黄葉の時期はライトアップされ黄金色の宇宙船が浮かんでいるみたいで、境内に入ると小宇宙にいるような幻想に包まれます。

宮司さんから教えていただいたんですが、いちょうはよく「銀杏」と書きますが「公孫樹」とも書き、翁が植えた種が孫の代に樹となる、という意味なんだそうです。代々受け継がれてこられた宮司さんの想いは根を張り、街や人へ注がれて、公孫樹のご神木と共に私達を見守ってくださっているんだなぁと、感謝の気持ちで心が暖かくなりました。

今回のおいしい道の駅は、銀杏を使って温かいリゾットを作ります。銀杏と言えば「食べ過ぎると鼻血が出る」なんてよく言われますが(私は焼鳥屋さんで5本くらい食べてしまいますけど)、メチルビリドキシンという中毒物質が原因でけいれんなどを起こす場合があるので、子供は食べ過ぎには注意が必要なようです。鼻血は出るんでしょうかね。

そんな悪いイメージではなく良い成分もたくさんあります。
骨を作るのに大切なマグネシウム・鉄・リンなどのミネラルが豊富な他、カロチンやビタミンC、デンプンが豊富で、美肌効果、風邪予防、咳、痰の他、夜尿症にも効果があるそうです。

高校生の頃、二日市のお寿司屋さんでアルバイトをしていて、気が遠くなるほどの数の銀杏を延々と割っていたのを思い出しますが、八幡宮の宮司さんが銀杏をひとつずつ拾って川できれいに洗って干して…そんな作業を拝見していると、銀杏のひとつひとつに神様が宿っているように、大切にいただきたいと思います。
【今回の食材】
銀杏

いわずと知れたイチョウの実のことです。秋が近づくにつれ、まちの中でも見かける(臭いで気付く・・・)ことが多くなる食材です。おいしい実にたどり着くには、果肉を取るため水につけ、種を取り出して天日干し・・・という大変な作業が待っているそうですが、料理の中に銀杏を見つけると、秋の訪れを感じますよね。国内の生産量で見ると、実は大分が全国2位、福岡が3位と九州の2県が上位2枠を誇ります。おいしい銀杏が九州の道の駅にも並びますので、見かけたらぜひ!
〈材料〉
★銀杏のクリームリゾット★
<2人分>
*銀杏×30個ほど
*米(さっと洗う)×1.5合
*玉ねぎ×中1/2個
*かぶ×小1個
*ブイヨン(温めておく)×450cc(なければお湯450ccにコンソメ小さじ1を溶かす)
*豆乳×230cc
*生クリーム×80cc
*オリーブオイル×大さじ1
*自然塩・胡椒×適量
①銀杏はペンチで挟んで殻を割り、実を取り出す。


②5分ほど塩茹でし、冷まして薄皮を取る。

茹でる時に穴の開いたレードルで転がすと薄皮が剥けやすくなります。





③玉ねぎはみじん切りに、かぶは皮をむかずに1cmの角切りにする。



④ 深めのフライパンにオリーブオイルを弱火で熱し、玉ねぎを弱火で炒める。

米を加え弱火のまま炒める。透き通ってきたらブイヨンを加え、8分焦げないよう混ぜながら煮る。





⑤豆乳と銀杏(飾り用に少し残す)、かぶを加え、そのまま弱火で5分煮る。沸々してきたら生クリームを加え、3分煮る。少し芯が残るくらいで止め、豆乳で水分量を調整する。自然塩・胡椒で味を整える。






⑥飾り用の銀杏とかぶの葉のみじん切りなどを散らしたら完成。























末松 奈視
食品会社の検査室に5年半勤めた後、大手アパレルメーカーが経営するカフェで働く。
2001年にプルミエカフェを開業し、2008年にプライベートキッチン プルミエとして移転。2012年クリスマスに11年半の営業を終え、現在プライベートキッチン プルミエとして、ヨーロッパ・地中海・アジアなど世界の料理をみんなで作って食べる会(プルミエの料理教室)「クッキングパーティ」を中心にレシピやケータリングや料理講師、イベント企画など活動中。
博多阪急内「ELLE CAFE 」キッチンスタッフとしても働いている。
http://s.ameblo.jp/premier-1101




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