春の陽気の暖かい昼下がり、自転車で遠くまで走ってみることにした。自慢の朱色の古い自転車で。昔通っていた駅のホームから遠くに見える、ずっと前から気になっていた川の淵に建つ古い廃墟のような建物と、その隣に立つ大きな数本の樹。とても味があって、少しおどろおどろしい怪しげな雰囲気。駅からみると廃墟のように見えるけど、変わらずにずっとあるので廃墟ではなさそうだ。ずっと気になっていたその謎を解決しに行ってみることにした。
川沿いを気持ちよく自転車で走り目的地へと向かう。鴨の親子は自由に泳ぎ、鷺は川を歩いたり飛びたってみせたり、そのそばで自由に過ごす人たち。そんな公園のような道をしばらく走ると問題のその場所へたどり着いた。古い酒蔵だった。
200年もの歴史ある福岡の酒蔵の建物だとは知らず、子供の頃に憧れていたアニメ「妖怪人間ベム」の世界を重ねて想像を膨らましてしていた私。長年の謎が解けてすっきりしたのと、新しい世界を知ったのと、空想の世界が消えてしまったのと、複雑な思いを抱えてまた自転車に乗った。まだまだ面白いとは身近にたくさんありそうだなぁ。

さてさて、今回のおいしい道の駅の主役は「春キャベツ」です。
3～5月に収穫される新キャベツのことで、薄い緑色で葉肉が薄くて柔らかく甘みがあり、みずみずしいキャベツなので、サラダなどの生食にも向いています。食用としてのキャベツの歴史は古く、古代エジプトやギリシャで栽培され、世界中で食されるようになりました。胃腸に良い薬草としても食されていたそうです。日本へ伝来したのは江戸時代ですが、食用として栽培されるようになったのは明治時代、洋食文化の普及と共に戦後に一気に広まりました。

キャベツと言えば「キャベジン」と呼ばれるビタミンUが多く含まれ、胃粘膜を修復し、胃酸の分泌を抑え、胃腸を調える働きがあります。胃潰瘍の予防にも効果があり、食べ過ぎや飲み過ぎ、胃もたれ、食欲不振、胃痛などに効果があるので胃薬のように日々の食卓にとりいれたい野菜です。その他、ビタミンCやカリウム、食物繊維も豊富に含まれ、疲労回復や美肌効果、便秘の改善など、さまざまな薬効効果があります。今回は、私が子供の頃、お留守番の時に作っていたキャベツとベーコンの丸ごとスープをご紹介します。やっぱりキャベツとベーコンは相性がとても良いから大好きで、簡単で、たくさん食べられて、見た目も華やかなので、弟が3人いる私はこれを得意気に作ってふるまいました。とても簡単でおいしいスープなのでぜひ作ってみてくださいね！

【今回の食材】 
 

末松 奈視

食品会社の検査室に5年半勤めた後、大手アパレルメーカーが経営するカフェで働く。
2001年にプルミエカフェを開業し、2008年にプライベートキッチン　プルミエとして移転。2012年クリスマスに11年半の営業を終え、現在プライベートキッチン　プルミエとして、ヨーロッパ・地中海・アジアなど世界の料理をみんなで作って食べる会（プルミエの料理教室）「クッキングパーティ」を中心にレシピやケータリングや料理講師、イベント企画など活動中。
博多阪急内「ELLE CAFE 」キッチンスタッフとしても働いている。
http://s.ameblo.jp/premier-1101

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