桜の開花がはじまりました。
今年は1週間ほど早いようで、前々から予定しているお花見計画が狂ってしまい、少し焦っている今日この頃です。

市場へ出掛けると春野菜がたくさん並んでいてとてもワクワクします。その中でも春の楽しみのひとつである「新じゃが」を今回のおいしい道の駅でご紹介したいと思います。

じゃがいもは一体、世界でどれだけ消費されているのでしょう。
アンデス高原が原産のじゃがいもは、スペインからヨーロッパへ伝えられましたが、はじめの2世紀の間はフランスでは鑑賞用の花として、また、見た目の悪さから〈悪魔の根っこ〉と呼ばれ、豚の飼料として栽培されていました。
冷害による飢餓対策としてドイツのフリードリッヒ大王が自ら民衆の前で食し、食用としてヨーロッパへ広めたそうです。
日本へは江戸時代に伝来しました。

荒廃した畑でも力強く育ち、一年に二度も収穫でき、他の穀物に比べ高い収穫高を誇るじゃがいもは、長期保可能で栄養豊富で腹持ちがよく、いろいろな調理法でさまざまな料理に変化します。
冷害や飢餓などから、私達人類をどれだけ救ってきたことでしょう。

さまざまな料理で私達を飽きさせないじゃがいもは、今も尚ファーストフードの普及やポテトチップスなどの加工品の大量生産による増加で、より一層世界中で親しまれ、消費され続けています。じゃがいもを食べない国ってあるんでしょうかねぇ。
考えてみたら自分ひとりでもかなりのじゃがいもを消費しているなーと、改めて思います。

こどもの頃、家に帰るとおやつにふかしたさつま芋が置いてあって、喜んで食べていた思い出があります。うちのおやつはじゃがいもよりさつま芋だったんですが、親戚の家に遊びに行った時に、北海道のおいしいアツアツのじゃがいもにバターをのせて出された時の衝撃を忘れません。
初めてのじゃがいもとバターの組み合わせが、なんて美味しかったこと！
こどもながらに感動したことを覚えています。昭和丸出しですね、笑。

じゃがいもはやっぱり春に収穫される新じゃがが一番美味しいといわれます。
皮が薄く、みずみずしくて甘みがあります。柔らかく煮くずれしやすいので煮物にはあまり向きません。
甘いのでシンプルに皮ごと蒸したり揚げたりするだけで美味しいです。

主に炭水化物が含まれますが、ビタミンC、B1、B2、B6、カリウム、鉄分、8種のアミノ酸、必須脂肪酸、20種のミネラル、食物繊維、ナイアシン…など、極端にいうとじゃがいもだけ食べていれば生きていけるほど栄養価の高い野菜です。
穀類やさつま芋に比べカロリーは低くく、コレシストキニンという満腹ホルモンを分泌させる成分が含まれているので肥満防止の効果があるんですが、油で揚げたりバターで炒めたりするイメージや、お肉などの付け合わせに使われるため、じゃがいも＝太る、というイメージに繋がっているようです。

その他、美肌効果、老化防止、むくみ解消、胃腸強化、便秘改善、疲労回復などに役立ちます。

芽や皮の青い部分に含まれるソラニンという成分は頭痛、嘔吐、下痢などの中毒を引き起こすので、しったりと取り除きましょう。

今回は、朝ごはんの定番のパンケーキのレシピをご紹介します。
じゃがいもをすりおろして加えてもおいしいですが、私はシャキシャキした食感が好きなので、いつも千切りにして生地に加えてハッシュドポテト風にします。

栄養たっぷりのじゃがいものパンケーキで、朝から元気に過ごしましょう。

【今回の食材】 
 

末松 奈視

食品会社の検査室に5年半勤めた後、大手アパレルメーカーが経営するカフェで働く。
2001年にプルミエカフェを開業し、2008年にプライベートキッチン　プルミエとして移転。2012年クリスマスに11年半の営業を終え、現在プライベートキッチン　プルミエとして、ヨーロッパ・地中海・アジアなど世界の料理をみんなで作って食べる会（プルミエの料理教室）「クッキングパーティ」を中心にレシピやケータリングや料理講師、イベント企画など活動中。
博多阪急内「ELLE CAFE 」キッチンスタッフとしても働いている。
http://s.ameblo.jp/premier-1101

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